ここ最近
こんなことを書いてほしい、という希望が徐々に増えてきたので、少しずつその希望にこたえていきます🤗
前回子育てストレスに向き合う方法もリクエストのうちの一つでした。
テーマが壮大なので、1つの投稿にまとめきれるような内容ではないリクエストが多いので、ちょっとずつ分割して書いていくようにします。
今回はそんなリクエストの中から、最近はやりのファスティング、プチ断食、について現状の医学会の評価、そして実践者の意見などを何回かに分けて紹介していこうと思っています。
ファスティングにあてはまるかどうかは別として、カロリー制限は長寿につながる、というのが現在の医学の定説になりつつあります。
これがファスティング界隈の真理なのかもしれません、、、
やり方はなんであれ the less the better ってこと。
ファスティングでもプチ断食でも、ダイエットでも好きなのをやって下さい。現状優劣はありません。
ってこれじゃああんまりなので、
ファスティングの種類をいくつか紹介していきますので、自分でもやれそうなものを選んで試してみてください。
その前に医学文献でいきなり皆さんのファスティング熱を冷ましておきましょう。 わーい!
目次
ファスティングは何もしないよりマシだが、ダイエットと効果は同じ。
まず、こういった文献(*1)が2018年に出ています。
この研究は、ファスティング(intermittent fasting)が、肥満と病的肥満の人たちに対して、ダイエット(chronic caloric restriction)や、何もしない場合と比較して,
より効果があるかどうかを過去の研究を集めて検証しています。
症例の人数が少ないので何とも言えない所ですが、ファスティングは何もしないよりはマシだが、ダイエットと効果は同じ、という結果になっています。
これを、ファスティングを数日我慢すれば、継続的なダイエットと同じ効果ならラッキー、ととらえるか、それともいずれファスティングがより有効である、という結果がでる、と信じてファスティングに励むのかは人それぞれでしょう。
ファスティング関連の文献はネズミなどのいわゆるヒトを対象にしていないものがとても多く、
それらに見られる様々なファスティング(正確に言えばカロリー制限)の良い効果が、きっと人間にもでるに違いない!という事で現在人間を対象とした研究の真っ最中の分野なのです。
そして医学文献は肥満の人の減量効果に関して検討しており、それを一般の人にまで効果を拡大して解釈できるのかどうか、はっきりしていません😀。
ですからあまり効果に関して多くの人に当てはまるような断定的なことは言えないと思うのですが、
巷ではファスティングで難病が治るとまで喧伝されているので、ファスティングおそるべしです。
(いずれそういった効果も証明される可能性は0ではないので現状否定もできませんが、この理論が正しいとすると、飽食の現代以前の時代には難病が存在しなかったことになるので、、???という印象です。)
それから、ファスティングを行う際に、高額なわが社の商品を使って、というスタイルのファスティングも巷には多々あるようですが、
効果に関して、ホームページ上でしっかりと医学雑誌(査読あり)に投稿したものを提示していないものは、現状避けておかれた方が良いのかもしれません😑。
値段の割にメリットが得られない可能性が充分あります。
え、そんな効果ならこんなにお金出さなくても良くない?という結果になると残念です。
それともここの会社にの製品を使用して良かった、という結果になったとしても、
それがカロリー制限をした結果であって、ある会社の製品のおかげではないかもしれないという可能性は残ります。
ですので、
当社製品 VS 同じカロリーのもの という比較において
当社が○○という点において優れていましたというデータを提示している会社の商品を購入するべきでしょう。
なんにせよカロリー制限すれば一般的には痩せるわけですから。
そんなわけで、いつもいつも言っていますが
なんでも継続するためには
①簡単
②お金がかからない
③そんなに負担にならない
という条件がそろっている必要があると思います。
ですから、そういった意味ではファスティングも何か商品を買ってそれを継続的に摂取するよりは、食事の摂取の時間に制限をかけるファスティングを行うべきでしょう。
まとめ
①2018年の時点の文献ではファスティングはダイエットと比べて優れているという事は証明されていない。
②カロリー制限と長寿との関連が指摘されている。
③お金をかけた商品を購入してのファスティングを行う際は、この効果に関してソースの確認を十分行い、何と比べて、どんな良い効果があるのか、納得行くまで調べましょう。
④新しい習慣の導入には、簡便さ、安さ、負担の少なさ、の三点が不可欠
ファスティングの主な種類
さて、上にまとめた3点
①簡単
②お金かからない
③負担にならない
という視点から、主だったファスティングの種類をご紹介しておきましょう。
この商品をつかって系に興味がある方は別途ご自身で調べて下さい。個人個人で効果に差があるので、購入に関しては自己責任で。
Eat-Stop-Eat法
読んで字のごとくですが、24時間の断食を一週間に1回から2回行う方法です。例えばある日の夕飯から、翌日の夕飯まで水分以外何も取らない、という感じです。
16/8法
朝食を抜いて、その後一日の中で食事をとれる時間を8時間に制限し、残りの16時間は水分以外摂取しない方法です。 ちょっと前に流行った17時以降食べないダイエットはこれに似ていますねぇ。これはleaning protocolといってMartin Berkhanという方が提唱しています。
5:2法
週二日(連日は避ける)500~600kcalの食事にして、他の日はいつも通りに摂取するというものですが、効果を証明した文献は現状無いようです。しかし、ファスティング自体にはダイエット効果はあるので、これもやらないよりはマシなのでしょう。
一日おきファスティング法
読んで字のごとく、ファスティングと通常の食事を交互に行います。医学文献でファスティングを扱う時はこの方法がとられることが多いようです。
食事スキップ法
忙しくて食べる時間が無い時や、お腹が減っていないときに食事をスキップする方法です。特に決まったルールはありません。
注意
どの方法を行うにしても持病のある方は必ず医師に相談してから始めましょう。
特に糖尿病で内服もしくはインシュリンを使用している方は、独断でのファスティング開始によって、危険な低血糖発作を起こす可能性があります😱。
また、ファスティング時の水分摂取不足は、脱水、脳梗塞、心筋梗塞などを起こすリスクになります😱。
腎臓に障害のある方も脱水は腎機能障害の原因となるので、独断のファスティングは危険です😱。
このように例をあげればきりがないので、必ず医師に相談することと、あまり攻めるスタイルのファスティングは控えた方が良いでしょう🙄🙄。
結論
- 医学論文でファスティングに関して検討しているのは肥満、病的肥満に対してであり、健常人に対する効果についてではない。
- 持病のある方がファスティングを検討している場合は必ず医師に相談をしましょう。
- 高価な商品を使ってのファスティングの前に、より安価な方法を試しましょう。
- どんな方法でも続けないと意味がありません。
次回は積極的にファスティングを導入している健常者に関してさらに突っ込んで紹介していきます。中には水分すら何年間も取らずに生活している人もいるようです。もしそれができるなら世界の食糧問題は解決ですね!
<参考文献>
- Intermittent fasting interventions for treatment of overweight and obesity in adults: a systematic review and meta-analysis.JBI Database System Rev Implement Rep. 2018 Feb;16(2):507-547. doi: 10.11124/JBISRIR-2016-003248.