認知症診断における画像診断の役割
イクメン精神科医のダディーです。
画像診断の役割は、早期診断とそうでない場合で全く意味合いが異なってくると思います。
早期診断では積極的な画像診断が認知症の鑑別診断に非常に有効です。
極端な話ですが、レビー小体型認知症の診断は本人や周囲がもの忘れを自覚する前に可能な場合もあります。
そこで、まずは画像診断がなくとも、病歴と簡易検査から何らかの認知機能障害が明らかに存在しそうだな、という場合における画像診断の位置づけについて考えてみましょう。
先に結論:多くの場合画像評価せずに進行した認知症の診断をしてしまっている。
これが良いか悪いかは ケースバイケースですが、皆さんが医師から認知症と診断を受ける場合、病歴と簡易検査で診断をつける、というケース、非常に多いです。
これはまず、画像検査を行う事が非常に困難な場合がある、という事を書いておかないといけません。
本当はやりたいのだけれども、行う事が出来ない、というパターンです。
まず第一に検査に対してご本人様のご協力を得ることが非常にむつかしいケースがあります。
こうした場合、画像検査せずに、診断にあたりをつけに行くという事は良くあります。
認知症とは言われたけれども、さらに具体的な病名は医者からは聞いていないしCTやMRIは撮影していない、本人も検査拒否したので撮影できなかったし、、、というケースです。
また、やっとの思いで受診した病院やクリニックにCT、MRIの機械がおいていなかった、もしくは受診した同じ日に検査ができず、検査をするには改めて受診する必要があり、そこに時間を割くことが出来ないという場合もあります。
我々医者も「認知症はあり、おそらく○○型認知症だと思います。さらに細かい検査をすればもっと正確な評価が出来ると思いますが、どうしますか?」と後で下に書く例外の可能性が非常に低い場合には、こう話すこともあります。
しかし、やはり基本は画像診断を可能な限り行った方が良いと私は考えています。
何故なら、一般的に進行性の認知症の中に治療可能なものがいくつかあり、その鑑別に画像診断が非常に有効であるからです。
例えば、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症などは画像診断が非常に有効です。
なんとなく、認知症という状態で済ませてしまうと、可逆的な変化の状態から不可逆的な変化になってしまい、せっかくの治療のタイミングを逸してしまいます。
それは非常に残念なことです。
長くなってきたので、ここで一度終わります。
最終的には認知症の診断の経過を一つのブログにまとめられればと思います。
今はその技術がないのですが、、