認知症診断その4

認知症の具体的な病名について学んでみましょう。

イクメン精神科医のダディーです。では始めましょう。

 

まず、4大認知症として

アルツハイマー型認知症

レビー小体型認知症

脳血管性認知症

前頭側頭型認知症

の4つがあります。

どれか一つにしかならない、という事ではなく、この4つのうち同時に二つ、または三つ、全てと重なる事もあります。

ではまず、アルツハイマー型認知症から具体的な特徴を学んでいきましょう

アルツハイマー型認知症

いわゆる皆さんが一番イメージされる認知症です。

認知症全体の約60%ほどを占めています。

比較的早期から記憶障害を主とする症状として出現します。

男性より、女性に多く、比較的高齢発症です。

見当識障害と記憶障害が目立った症状で、それに付随して徘徊や物盗られ妄想などが出現します。

原因として、βアミロイドやタウというたんぱく質が蓄積し、神経細胞が壊死していく事が挙げられています。

こうした蛋白の蓄積による変化は実際に認知症と診断される遥か前から徐々に起きています。 40代くらいから出現している、との報告もあります。

 

レビー小体型認知症

アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症です。

アルツハイマー型認知症とは異なり、男性に多くみられます。

もの忘れ(記憶障害)の症状が初期から見られることは、アルツハイマー型認知症と異なり多くありません。

睡眠障害(レム睡眠行動障害)や、なかなか改善しない老年期うつパーキンソン症状などをきっかけに診断をうけることが多いです。

 

脳血管性認知症

認知症の2割から3割を占める疾患です。

脳梗塞、脳出血などと関連し出現します。また、大きな脳梗塞などと認めなくても長年蓄積した微小な脳梗塞によって徐々に神経細胞が壊死した結果として生じることもあります。

糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙などで長年にわたって全身の血管にダメージ(動脈硬化)が蓄積しているとその結果として脳の血管も侵されている可能性が非常に高いです。

大きな脳梗塞や脳出血の後に認知機能障害が急速に進行することが一般的ですが、動脈硬化が蓄積していく中で徐々に認知機能障害を呈するパターンも見られます。

具体的な症状としては脳のどの部分に障害が出ているかによって異なります。

意欲低下、無関心(アパシー)がみられる方の入れば、喜怒哀楽が大げさに出現する、感情失禁という状態を呈することもあります。

基本的には血管障害をこれ以上起こさないようにするために原因となっている疾患の治療をすることが求められます。

 

前頭側頭型認知症

全体の一割くらいを占める認知症ですが、いくつかの疾患が混ざっており、分類自体もまだ専門家での間で喧々諤々の議論が行われているため、今後統計は変わってくる可能性があります。

大きな特徴としては、その名の通り前頭葉と側頭葉の機能が低下するところにあります。その中で前頭葉症状が主に出るものと側頭葉症状が主に出るもの等で細かい違いが認められます。

また、近年の研究で前頭側頭型認知症の原因としてTDP-43などの蛋白が蓄積する事がわかってきているものもあります。しかし、分類も含めまだ不明な点が多く、これと言った治療法も見つからない難病です。

 

 

以上ざっと主だった認知症に関して記載していきました。

今後はもう少しそれぞれの疾患に対して掘り下げて書いていくことにします。

いつもご拝読ありがとうございます。

 

 

 

 

 

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